東京愁情乱行記

怠けることに一生懸命

人の陥れ方~印象操作編~

人の陥れ方には沢山方法があると思いますが、僕が最も有効だと思うのは印象操作です。Twitterでも述べたように、印象操作のコツはとにかく「繰り返し言うこと」そして「周りの人間に繰り返し言わせること」です。当然ですが、誰が言い出したのか分からなくなるまで根気強く続けなければいけませんから、長期的に続けていく必要があるので、良心の呵責などですぐに折れてしまう人にはあまりオススメ出来ません。あくまで時間をかけても人を陥れたい方のみが出来ることだと思ってください。

 しかし、印象操作は誰にでも出来ることではありません。印象操作を最もよく使うのはマスコミです。マスコミが国民を煽動するとき、毎日同じ内容が紙面に載りますよね。そしてほとんどの場合、成功してしまうものです。では、何故マスコミの印象操作は成功しやすいのか。これは認知心理学の「噂の原理」を理解する必要があります。

まず、最初に噂が始まるのはどこか考えてみてください。きっと「誰か1人をあげろ」と言われても難しいはずです。誰が言い出したか分からないのが「噂」ですから。では逆に、あなたが何か噂を流そうとする場合、最初に何をするでしょうか?おそらく、最も身近にいる友人に話すことが多いと思います。そしてその友人はその話を信じてしまうでしょう。何故なら、あなたと友人との間には「信頼関係」があるからです。認知心理学的には「信頼している人間から聞いた話は否定しにくい」という研究結果があります。ですから、マスコミが流す情報を信じてしまうのは、やはり多くの人間がマスコミを信頼しているからと言えるでしょう。

勿論、信頼だけで全員が信じるわけではありません。情報にいかに信憑性を持たせるか(具体的な数字や、第3者の意見を挙げること)も重要ですし、何より相手が「信じたいと思う情報」を選択することが、ある噂を相手に信じ込ませる上で最も重視するべきところです。言うまでもないことですが、人間は信じたいことを信じる傾向にありますから、より過激で面白い話である必要があるのです。要するに、印象操作をする上で必ず意識しなければならないのは「①相手との信頼関係があること②相手が信じたいと思う情報であること」と言えます。

上記のことを踏まえると、あなたが誰かを陥れる為に印象操作を行う際、まずは自分の話を信じてくれる相手を見つけ、そしてその相手が期待するような内容を考えることが大切です。「相手が期待する話」という部分は少し難しいかもしれませんが、陥れたい人間が相手にとっても共通の敵であれば話は簡単です。上司を陥れるなら、その上司のことを嫌いな人間を探せば良いのです。

 ただ、ここで絶対に踏まえておいて頂きたいことが2つあります。1つは、印象操作というのはあくまで「噂の原理」を利用しているだけであって、「噂」を流すのは大変な危険を伴う行為であるということです。これは僕の個人的な考えですが、「噂」は何か具体的な内容であり、「印象」はもっと漠然とした内容であると思います。たとえば、「××が〇〇さんと浮気している」というのは具体的な内容を含んでいるので「噂」であり、「〇〇さんはビッチ」というのは漠然としてますから「印象」と言えます。では何故印象操作において「噂」を流すことが危険なのかと言うと、具体的な内容というのはあまりに強烈であるが故に、その話を聞いた人物のことまで記憶してしまうからです。その場合、噂を聞いた人間は「□□(あなた)が言ってたのだけど」と前置きした上で噂を流してしまうでしょう。あなたが流した噂だと相手に知られると、痛い目に合うのはあなたです。ですから、「誰が言い始めたのか忘れるくらい」漠然とした内容であることが肝要なのです。

2つ目に、相手がその情報について「自分もそう思う」と思わせることが大切です。相手が自分で気付いたように錯覚させるのです。 つまり、「相手にその情報を肯定させる」というわけです。これは社会心理学の理論では「認知バイアス」と呼ばれるものです。最近では、小保方さんの言動もこれにあたると思います。「一度肯定してしまったものは後で否定できない」というのが認知バイアスの怖いところであり、印象操作にとって有効なところでもあります。簡単に例をあげると、あなたがある人物をデブであると印象操作したい場合、相手に「〇〇ってデブじゃない?」と質問すれば良いのです。これで相手が「そうだね」と言えば、認知バイアスが構築されます。そして、最初に述べたように何度も繰り返し「言わせる」ことで、認知バイアスがより強固なものになっていくのです。

これで印象操作の方法については殆ど説明しましたが、最後にリスクマネジメントについても書いておきたいと思います。印象操作はそれなりにリスクを伴う行為であるというのは言うまでもないことだと思います。では、なるべくリスクを低減させるにはどうすればいいか。最も簡単なのは「共犯をつくること」或いは「主犯を立てること」です。共犯をつくるというのは、要は「みんな言ってたんだから俺だけが悪いわけじゃないもん」ということです。これは手軽ですね。後者の方は少し難しいかもしれませんが、方法としては特に複雑なことをやるわけではなく、情報に「あいつがそう言ってた」といちいち付け加えるだけです。要するに最初に言い始めた人間を自分ではなく他人にすり替えるということです。二重スパイのように緊張感のある情報戦を楽しみたい人にはオススメします。

 

さて、「人の陥れ方~印象操作編~」はいかがだったでしょうか。

皆さんもぜひ印象操作を使って、どんどん嫌いな人間を陥れてくださいね。

 

ついでに言っておきますが、心理学だのなんだのは全部デタラメです。「噂の原理」は僕が今適当に作った言葉です。そんな言葉ありません。騙されてしまった方には申し訳ありませんが、こうして印象操作や情報操作は行われるのです。気を付けましょう。